日本語スピーチコンテストエッセイ
小松 恵(社会学部社会学科2015年3月卒業)

「日本語スピーチコンテストの魅力」


 私は2012年に行われた第1回から、第2回、第3回と日本語スピーチコンテストに参加しています。 第1回では出場する留学生のアドバイザーとして、第2回と第3回では実行委員として携わりました。
 アドバイザーは、その名の通り、出場する留学生のスピーチに対してアドバイスをします。つまり、 留学生と二人三脚でスピーチを作り上げていくのです。私も第1回日本語スピーチコンテストでアドバイザーを務めました 。しかし、実際には私がアドバイスすることよりも、ペアとなった留学生がより良いスピーチにしようと取り組む姿から学ぶことの方が多くあったように思えます。そうしたこともあり、ペアの留学生が受賞した際には、まるで自分のことのように嬉しく感じたと同時に、留学生に対して心の底から尊敬の念を抱きました。
 実行委員は、スピーチコンテストの運営を行います。留学生がスピーチに集中できるように準備をするだけではなく、 スピーチ後の交流会の設営もします。より多くの人にスピーチを聞いてもらい、より多くの留学生と日本人が交流できるように準備を進めていくことは、とても楽しく、やりがいもあります。
 こうしてアドバイザーや実行委員として日本語スピーチコンテストに参加してきた私が感じたのは、日本語スピーチ コンテストはたくさんの魅力がつまったものだということです。

 まず、留学生の皆さんのスピーチがたいへん魅力的です。自分が留学し、母語ではない言語で、多くの人を前にスピーチすることを想像すると、私はそれだけで手に汗がじわりとにじみます。しかし、留学生の皆さんは、 日本語でスピーチをするだけではなく、独自の鋭い視点を盛り込みながら、時に真剣に、時にユーモラスに、スピーチをします。 もちろん、スピーチの際には緊張しているのだと思いますが、日本人学生のアドバイザーと練習を重ね、 作り上げられたスピーチは、聞く人の心を強く惹き付けます。
 また、日本語スピーチコンテストが、アドバイザーや実行委員をはじめとする日本人学生と留学生の 交流の場となっていることも、魅力に感じられます。普段は留学生と関わる機会があまりないという人でも、 国際交流に強い興味を持っている人でも、日本語スピーチコンテストに参加することで、 普段はなかなか聞くことのない留学生の視点からのスピーチを聞くことができるだけではなく、 そうした魅力的なスピーチをした留学生と話をし、交流することもできます。私は、スピーチはもちろんですが、 スピーチ後の交流会もとても好きです。壇上で見せるものとはまた違った留学生の顔を見ることができます。
 このように、日本語スピーチコンテストはたいへん魅力のつまったものですが、私の言葉だけでは、 日本語スピーチコンテストの魅力を伝えきることはできません。ぜひ、より多くの人に、 実際に日本語スピーチコンテストに参加し、その魅力を体感していただきたいです。 今後の日本語スピーチコンテストが、よりいっそう盛り上がりのあるものになることを願っています。