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講演会・シンポジウム

日本語教育センターシンポジウム2017

日本語教育センターの活動の社会還元として、またセンターのFDの一環として、講演会、シンポジウムを開催しています。

短期日本語プログラムは大学の国際化にどのように生かせるか
       ー 日本文化社会講義を通した学部との連携 ー

日  時 2017年12月2日(土)13:00~16:00
場  所 池袋キャンパス 11号館 A301教室
主  催 日本語教育センター
パネリスト 韓 志昊(観光学部教授)
ライトナー ・カトリン・J (コミュニティ福祉学部助教)
武田 珂代子(異文化コミュニケーション学部教授)
池田 伸子(異文化コミュニケーション学部教授、
      前 日本語教育センター長) 
コメンテーター 小圷 守(国際化推進機構 課長)
森田 浩史(総務部新座キャンパス事務室 事務長)
コーディネーター 丸山 千歌(異文化コミュニケーション学部教授,
      日本語教育センター長)
司  会 数野 恵理(日本語教育センター員、日本語教育センター教育講師)

レポーター:異文化コミュニケーション学部4年次 益本佳奈

学生レポート

こんにちは。学生レポーターの益本です。今回で第5回目となる2017年度日本語教育センターシンポジウムは「短期日本語プログラムは大学の国際化にどのように生かせるか—日本文化社会講義を通した学部との連携—」をテーマに講演及びディスカッションが行われました。大学を国際化する取り組みとして留学生の受け入れ増を掲げている本学で2016年度から始まった短期日本語プログラムは、日本語を学ぶ日本語のクラスだけではなく、日本の社会や文化についても学ぶことができる日本文化社会講義を組み込み、短期間でも「立教大学の学生」として有意義な留学生活を送ることができるようにデザインされています。そこで本シンポジウムでは第1部で短期日本語プログラムと各学部の連携について4名の先生方からご講演いただき、第2部では第1部を踏まえてのディスカッションが行われました。

豊田由貴夫先生の開会の辞の後、丸山千歌先生が短期日本語プログラムの概要と趣旨について説明なさいました。このプログラムは本学において設定された「Rikkyo Global 24」というプロジェクトの中でも2024年までに留学生数を2,000名へと増加させるという目標を達成するために、日本語教育センターの新事業として2016年度に始まりました。授業としては日本語のクラスに加え、各学部と日本語教育センターが連携して日本文化社会講義を行い、また、立教大学の学生生活を体験できるように単位認定や学生番号の付与なども行っています。特に日本文化社会講義についてはただ先生が講義をするのではなく、立教大学の学生を交えての講義、そして講義に関連した場所へフィールドトリップに行き、理解を深める内容になっていると述べられました。

第1部の最初の登壇者は観光学部教授の韓志昊先生で、「日本語短期プログラムと観光学部」というタイトルのもと、短期プログラムで実際に行われた日本文化社会講義とフィールドトリップについてお話をなさいました。先生が担当された日本文化社会講義では、観光学部のゼミ生を交えて立教大学の日本人学生と留学生がともに学ぶことができるように、学生メインの内容にしたとご説明いただきました。実際、講義ではゼミ生が英語で川越や野沢温泉について発表し、それを元に留学生とディスカッションを交わすことのできる内容になっており、その後の川越へのフィールドトリップにつながるように構成されていると述べられました。そして観光学部の教授としてこの短期プログラムが観光学部生の国際化入門編として有効であるとお話しくださいました。海外留学をすると英語中心になってしまうが、「日本語を学びに日本に来る留学生」と交流することで英語が必ずしもできなくても日本語でコミュニケーションをとることができます。それでも日本語で意思疎通ができない際には逆に英語の必要性に気づき、もっと英語や外国語を勉強してみたい!という意思に繋がり、留学への一歩になると述べられました。最後に、今後の可能性として日本人学生の主体性に働きかけるような企画を提案する必要性を述べられました。プログラムを日本人学生が企画し、そしてそれを授業として運営することで、「異文化+リーダーシップ+企画」の学びの場として短期プログラムを位置づけることができるのではないかとお話しくださいました。

2人目の登壇者はコミュニティ福祉学部スポーツウェルネス学科助教のライトナー・カトリン・友海子先生でした。先生は日本文化社会講義とフィールドトリップ、そしてそこから見える課題と今後の可能性についてお話をなさいました。まず、スポーツウェルネス学科の先生として、日本文化社会講義では「外国人学生と学部生の交流と活発な意見交換」「日本的なスポーツを外国人学生に体験してもらう」というイメージのもと、「Sport in Japan: Between Traditional Japanese and Western Sports」というテーマで講義を行い、それを元に日本人学生も交えてグループディスカッションを行ったとご説明くださいました。そしてフィールドトリップでは本学体育会の弓道部の協力のもと、弓道体験をしたり、日本の運動会を行ったりすることで日本のスポーツを外国人学生に体験してもらう機会を作ったと述べられました。このデザインにより、外国人学生は歴史的な背景から日本におけるスポーツの特徴と、スポーツの「不思議」を理解することができたとともに、日本的スポーツの中心概念を日本語で学ぶ機会を得ることができ、日本人学生も身近なテーマである日本のスポーツを英語で学んで理解し、外国人学生とディスカッションをすることで多様な考え方、異なった学びの姿勢を知ることができたと述べられました。最後に学部生を交えた短期プログラムから見えた課題としては、①外国人留学生と日本人学生のそれぞれの学びの「統合とバランス」を考えながらデザインする必要性 ②どうしても英語中心になりがちであるため、外国人学生が実際に日本語を使用する機会を与える必要性 ③学部生の事前準備と事後の振り返りをする機会を増やすことが挙げられました。そして今後は学部生の海外留学への後押しとなる日本国内で短期プログラムのような国際交流の場を提供すること、学部生が教室の中だけで英語を学ぶのではなく、教室外でも学ぶ機会を作ることが可能性としてあると述べられました。

3人目の登壇者は異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科教授の武田珂代子先生でした。武田先生は立教の通訳翻訳プログラム(TI@Rikkyo)、立教コミュニティ翻訳通訳(RiCoLaS)について、そして短期日本語プログラムとRiCoLaSがどのように連携しているのかについてお話をなさいました。まず、TI@Rikkyoとは国際規格に沿った総合的な通訳翻訳のプログラムで、本学の異文化コミュニケーション学部の「通訳者・翻訳者養成プログラム」、異文化コミュニケーション研究科の「会議翻訳者養成プログラム」「翻訳専門職養成プログラム」がTI@Rikkyoにあたり、現在も通訳翻訳研究を進めている学生がいることをお話なさいました。また、このような翻訳通訳教育においては体験的学習が要で、ただ通訳・翻訳をするだけではなく実際にクライアントやユーザーとコミュニケーションをとる「サービス提供能力」が必要であり、その力をつける術としてサービスラーニングであると述べられました。サービスラーニングでは教室で習得した知識やスキルをコミュニティの課題に取り組む活動に活用するだけではなく、①知識やスキルを現実社会で実践できるものに転換する②キャリア形成の計画を支援する③コミュニティへの貢献を通して自らの社会的役割や市民としての責任を認識するという教育的効果も期待でき、そのためには「振り返り」「評価」「互恵性」が必須であるとご説明いただきました。そしてそのサービスラーニングを本学に取り入れ、2016年4月にスタートした立教大学コミュニティ翻訳通訳(RiCoLaS; Rikkyo Community Language Service)はガイドラインを設定し、これまでに様々な取り組みを行っていると述べられました。その取り組みの一つとしてあるのが短期日本語プログラムとの連携です。外国人留学生のフィールドトリップでは教員や学芸員による解説の逐次通訳を行い、日本文化社会講義では教員などによる講義の逐次通訳を行いました。RiCoLaSの活動から学生は通訳者として予習や下見、事前準備の大切さや臨機応変に対応する力、そして立ち位置やアイコンタクトなどの現場でなければわからないこともあるということを学ぶことができ、リーダーであるプロジェクトマネージャーとしては依頼者・利用者に通訳について理解していただくことや効果的なコミュニケーションをとること、そして通訳者が十分な力を発揮できるような環境づくりをすることを学んでいるとお話しくださいました。最後にRiCoLaSの通訳サービスによって日本文化社会講義が可能になり、RiCoLaSの留学生通訳者の活躍が短期プログラムの留学生を刺激するということからもRiCoLaSは「国際化」への貢献に繋がっていると述べられました。

最後の登壇者は異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科教授の池田伸子先生でした。池田先生は「短期日本語プログラムから見る日本語教育(センター)の可能性」について①国際化にまい進する立教大学②立教の短期日本語プログラム③日本語教育センターの新しい可能性④可能性を実現するための課題の順にお話をなさいました。まず丸山先生のお話にもあったRikkyo Global 24を掲げた本学は国際化に向けて様々な取り組みを行っていますが、その中で日本語教育センターが目指してきたことは本学における日本語教育の質の高さをウリにした国際化への貢献でした。その一つとして短期日本語プログラムがありました。そしてプログラムの中にある日本文化社会講義では単に日本語や日本文化を学ぶこと、英語で専門講義を聞くこと、日本語の授業にゲストで日本人学生を呼ぶことといったありふれたことはせず、本学の各学部・研究科が持っている専門分野を知り、留学生がその知識をもちかえることを目的としてデザインしたとお話しくださいました。その日本文化社会講義をデザインするにあたって日本語教育センターの新たな可能性として3つご説明されました。1つ目は各学部・研究科の持つ魅力を引き出すプロデューサーになること、2つ目は留学生や日本人学生、教員などの人と人、学部と学部、学部と部局などの関連部局同士を繋げるコーディネーターになること、3つ目に本学ならではのプログラムを作ったり、協定大学数増への貢献をしたりといった立教大学を世界に向けてPRする役割を担うことが挙げられました。最後にこの可能性を実現するための課題として、各学部・研究科との連携をどのように強化し、安定した協力体制を構築するかという大学としてのガバナンスやリーダーシップが日本語教育センターには必要だということ、そして本学の学生を巻き込むにはどのようにしたら良いかという視点からは日本語教育センターを単位認定権のある組織にし、必要な時にすぐ柔軟に動く必要があると述べられました。

第2部ではまず、国際化推進機構課長の小圷守さんからRikkyo Global 24で掲げられている留学生数や協定校数などの具体的なお話があり、短期日本語プログラムをいかに魅力的なものに仕上げるかが本学の国際化に大きく関わると述べられました。 そして総務部新座キャンパス事務室事務長の森田浩史さんからは職員として留学生へとの関わり方を日本人学生と同じように変えていく必要性があるということと、「新座キャンパス」という学部間、学生と教職員間の距離の近さを強みに短期日本語プログラムを支えていくという力強いコメントをいただきました。

本シンポジウムに参加して、立教大学の「国際化」への取り組みの一つである短期日本語プログラムができた経緯、目的、そしてプログラムに関わる各学部・研究科の働きについて知ることができました。私はこれまで何度か日本人学生として短期日本語プログラムの日本語の授業に参加しました。楽しく、積極的に学生たちが受けることのできる授業を見て、そして日本文化社会講義について知って、純粋に「羨ましいな」と思いました。短期留学と聞くと、言語を学ぶことに重きを置いた形が多いと思うのですが、この短期日本語プログラムでは日本語学習に力を入れることに加えて、講義を受けて知識をつけ、それを元にフィールドトリップをすることができる内容になっているため、より「学んだ!」という達成感を持って留学生は国に帰ることができると思います。 立教大学に入学して約4年が経ちますが、本学の「国際化」への意識の変化を学生たちは感じています。そして学生たちにはこの「国際化」に携わるチャンスが多くあることも認識していると思います。留学を考える者、海外でインターンシップを行うことを考える者、海外ボランティアへの参加を考える者と様々です。しかし「外」にばかり目を向けてしまい、「内」で行われている「国際化」への取り組みを見落としがちです。私はここで得た「内」での取り組みについて多くの学生に伝えたいと思います。

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